「君の名は。」を観てBUMP OF CHICKENと共に過ごした青春を思い出したのは私だけではないと思いたい。
おはようございます。あやなです。
この記事にストーリー的ネタバレは一切ありません。
随分前になりますが、今年の大ヒット映画の一つである「君の名は。」を見てきました。感想という感想は出尽くされた頃だと思うので、今更ながらひっそりアンテナの向きのずれた感想を投下しておこうと思います。
「実写か?」ってくらい、細部まで書き込まれた絵はとてもリアルなのに、「新開誠の目から見ると世界はこんなにも美しいんですか?」ってくらい美しすぎた。私の目がカメラになればいいのにと地団駄を踏むことは多々ありますが、新開誠のカメラになりたいと思ったのは初めてでした。同じく今年のヒット作、「ズートピア」がぎちぎちに詰まったネタのメンチカツなら、「君の名は。」は圧倒的映像美の暴力。「これでもか! 貴様、これでもか!」と美しさに殴り付けられている気がしました。ストーリーも一筋縄ではいかなくて、いくつもの要素が「糸」のように絡み合ってできていて、どこまでも考え抜かれた秀作なのだと感じました。
鼻を啜る音が響く劇場内で、しかし私の脳は冴えていました。感動のシーンはいくつもあったし、ぽろっと涙が出るところもあったんですけど、号泣するまでの激しい感動ではなかった。「めでたしめでたし、だったな!」と笑って終えられる爽やかなお話だと感じていました。
それよりももっと気になることがあったから、かもしれません。
エンドロールが明け、一緒に映画を観ていた隣の席を見ると、なんと肩を震わせていました。マジか! 普段あんまり映画観て泣いたりするひとじゃないのに、感動してるのか! と、内心驚きつつ、「面白かったね~」と話しかけると。
彼は肩を震わせて笑っていました。そんなに笑う話だったか? よほど怪訝な顔をしていたのでしょう、彼は取り繕うようにこう言いました。
「面白かったな。映像きれいやったしな、話もよかったよな!」
「だよねだよね」
「けどさぁ……」
くっくと肩を震わせ、
「RADは歌いすぎやろ。畳み掛けるようにRADやったろ。笑わせに来てるのかと思ったわ」
マイナス2RADくらいでちょうど良かったんじゃないの、とか言い出す始末。
コラコラコラ! RADを単位にするんじゃないよ!
怒られるぞ、いろんな方面から!
とはいえ、私も劇中で気になっていたのは確かにそこだったのでした。私が観た限りストーリーと歌はすごく合っていたと思いますし、歌が邪魔して話が入ってこないわけじゃない。
いくつか年下の後輩はRADWIMPSのことを最近の結成された新人バンドだと思っている子も多く、「君の名は。」をきっかけにRADWIMPSのファンになったという感想も見かけました。
「君の名は。」を観て、私が一番に感じたことは美の暴力でもなく、ストーリーの深さでもなく、「RADも大人になったんだなぁ……」ということでした。
高校時代、私が最もよく聞いたアーティストはRADWIMPSではなく、BUMP OF CHICKENでした。
わが文芸部の部室にはMDコンポが置いてあって、お気に入りのアーティストの曲を流しながら日々創作に励んでいました。(部活の時間はまぁ、ほぼおしゃべりだったけれど、三題噺の即興とか詩のボクシングとか、〆切間際には部誌の編集とか、文芸部らしいこともそれなりにやっていましたよ!)
部員たちがそれぞれにお気に入りを持ち寄っていたので、それはもういろいろなジャンルのアーティストの曲を聞いたものですが、やっぱり特に記憶に残っているのはBUMP OF CHICKEN。家でもずっと聞いていました。BUMPを聞きながら小説を書いていました。デスクトップPC(Windows98)の置かれている部屋は暖房がなくて、冬は悴む手に息を吐き吐き、青臭い青春小説を書いていました。
そんな私の、ちっとも健全じゃない健全な青春は、BUMPと共にあったのだと思います。
そして、高校を卒業し、大学に入学した頃、大学で知り合ったBUMPファンはもれなくといっていいほど、RADWIMPSのファンでもありました。
あの現象、ほんと何だったんでしょうね?! 大学生でRAD聞かなくていつ聞くの!? ってくらいみんな聞いてた気がするんですけど!
大学に入学した2007年、気づけばBUMPファンとRADファンに外堀を固められていました。
これが私とRADWIMPSの出会いでした。
BUMPファンの友達からおすすめされて、RADを聞き始めたときの私の第一印象は、申し訳ないけれど「なんか辛気くさい歌を歌ってる奴ら」でした。「オーダーメイド」とか「ふたりごと」とか、めちゃくちゃ名曲なんです。すごく。でも、なんとなく辛気くささが拭えなくて私はあまり刺さらないまま、じきにRADを聞かなくなりました。
同じく2007年頃からBUMPの曲も少しずつ変わっていったように思います。なんというか……優しくなったというか、丸くなったというか、キラキラし始めたというか。
最後に買ったCDは「orbital period」。
私はその変化を受け入れられなくて、長いことBUMPの新曲を聞いていませんでした。ずっと昔のアルバムばかりを聞いていました。
今年の5月に友人と一緒にBUMP OF CHICKENのスタジアムツアーに参加してきました。実に約10年ぶりのライブでした。すんごい昔のツアーTを着ていくと、指を差されてざわつかれたらしい(一緒にいた後輩談)ので、ちょっと肩身狭かったです。
結論から言うとすごく良かったです。
当たり前なんですけどね!
だって、ずっと嫌いじゃなかったんだもん。大好きだったんだもん。青春だったんだもん。ただ、受け入れるのを拒んでいただけで。
号泣しながらドームを出て、誘ってくれた友人と「BUMP大人になったよね……」「BUMPが変わったんじゃなくて、私たちが子どもだっただけだね……」と感想を言い合いました。
「君の名は。」を観て、RADWIMPSもBUMPのライブを観に行ったときと同じように「大人になったんだな……」と感じました。
どの目線だ!? と自分でも思うんですけど。全然辛気くさくない!!
キャッチーだ!!
話の筋と全く関係ないところで感動を覚えてすみません。
たぶん「君の名は。」を観ながらBUMP OF CHICKENと共に過ごした青春に思いを馳せたのは私だけだと思います。
映画を観に行って1ヶ月くらいして、一緒に映画を観に行った人と今度は焼き肉を食べに行きました。そこでBGMでふいにラストに使われていた「なんでもないや」が流れてきて、なぜかぽろっと泣いてしまったんですよね。
「なんで泣いてんの」
「いや、よくわからんけど。いい歌やなって思って」
「そうやな。いい歌やなぁ」
二人でしみじみ肉とRADWIMPSを味わいました。
というわけで、「君の名は。」の感想にならない感想でした!
4連休も明日で終わりだ~!
月曜日から無事に朝活に戻れるかちょっと不安です!(ここ数日夜更かししていたので)
それでは皆さん、また明日(*´-`)
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本日の起床時刻
9:30
夜ごはん
今からカレーを作ります
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