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【第46回】学生気分が抜けきったら、私はどうなってしまうんだろう?

おはようございます。あやなです。

本日、12月29日は私が最も楽しみにしている日と言っても過言ではありません!

誕生日より、クリスマスより、ゴールデンウィークより、12月29日が好き。

仕事納めだから?

いえいえ、違います。

今日は毎年恒例の大忘年会が開かれる日なのです!

 

28歳、社会人4年目。大学を卒業して来年の春で丸4年になろうとしています。憂鬱なテスト期間から解放され、会社や仕事のことを「バイト」と口走ることもなくなり、週5日、実働7.5時間で規則正しく働く毎日です。

地下鉄で飲み会帰りの大学生を見ると思わず「若いなぁ」と呟いてしまう今日この頃、社会人4年目にもなりますと学生気分なんてもう抜けきってしまってまして、いやしかし私は本当に学生気分から抜け出すべきなのかと疑問に思ったりもしています。

12月29日の一夜だけは、私は完全に学生気分に浸りきり、大学生に戻ります。

大学生活のなかで、たくさんの方に出会いました。すべての出会いに感謝していますが、最も私に影響を与えたのは、ゼミだったのだと思います。

12月29日は毎年恒例、ゼミの大忘年会が行われる日です。上は40代から下は現役大学生に至るまで、一同に会します。

この日ばかりはみんな大学生。全国各地から福岡に集まり、誰に求められたわけでもないのに勝手に出し物をし、誰が一番珍妙な手土産を持ってきたかで競い合い、一晩中飲んで騒ぐ。まさに狂乱の夜です。

間違いなく、私が一年中で一番ばかになれる日。

 

大学時代は人生の夏休みだ、なんて言いますが、私にとっては28年の中で最も苦しみ最ももがき、最も多くの方に出会った6年間でした。本音を言いますと学を修めたとは言い難く、何かを成し遂げたとも思えません。本当のところ、やらなければならないことから逃げ続けていたと思います。

夏休みなんて可愛らしいものではありませんでした。泳げもしないのにプールに突き落とされて荒波の中、25メートル泳ぎきるような年月を過ごしました。あれ?  これってもしかして、ある意味正しく夏休みなのか?

ストレスから学校にいけなくなったり、学費の支払いがままならなかったり、アルバイトのしすぎて単位不足になったり、結果留年したり、なかなか就職が決まらなかったり……。周りが順調に大学に通い、卒業し、社会に出ていく中、当時の私は学生でいることに物凄く焦りを覚えていました。貧乏学生でもあったので、もて余した時間はアルバイトに費やしていましたし、とにかくあの頃は精神的に余裕がありませんでした。

親の仕送りでいいマンションに住み、自由に遊んでいる学生を片っ端から憎み、「学生時代にインドに行かないなんて人生損してる」と言い切る意識高い学生を鼻で笑い、卑屈に生きていました。あの頃の私には野心なんてこれっぽっちもなくて、憎悪と虚栄だけが私という独り善がりな車を動かすガソリンでした。

あの頃の私は孤軍奮闘しているつもりの甘えた子供でした。一人で生きている気になっていました。それが強さなのだと思い込んでいました。

 

「今はわからなくても、全部繋がっとるから。何も無駄にはならんけん」

と、教えてくださったのは、先生でした。

「5年生?  そんなん、ここでは1年生みたいなもん!」

と、笑い飛ばしてくださったのは、先輩でした。

偶然か、必然か、私の所属したゼミは挫折を味わった学生で構成されていました。留年した先輩もいましたし、いわば問題児の集まる保健室、といったところでしょうか。

しかし、誰も暗くはなく、悲観的にも見えません。先輩方はボケ倒すのが好きで、後輩が決まってツッコミを入れる。会話は常に漫才のようでした。大丈夫、大丈夫。いや、ほんとにそれ大丈夫なんですか。

「大丈夫、大丈夫。最終的に帳尻が合えばいいんだよ、人生なんて」

ちょっとの遠回りくらい些細なことさ。

あの言葉にどれだけ救われたことか。

大学に入学したときからずっと、自分は落ちこぼれだと思っていました。憧れの大学に入ったのに、授業も満足に受けられなくて、「どうせ私なんか」と卑屈な振りで逃げてばかりいました。うまくいっている学生を羨んで憎んで。

埃っぽい本に囲まれた小さな研究室は、どんな場所より大きく温かく、私を受け入れてくれました。衝突することもあった、嫌なところも全部見せあった、その上でこのゼミに2年いた。やっと私はここで、息継ぎの仕方を学んだのです。

 

2年の遅れはとりましたが、卒業が決まり就職できたときは本当に嬉しくて、「これでやっと、私も社会の歯車になれるんだ~!!」と喜んだものです。25メートルを泳ぎきったのだと思いました。みんなが歩いている陸にようやく上がれたのだと思いました。

こうして、私は大学の外、社会に飛び出しました。

はぁ~、息が楽!  下手くそな息継ぎで鼻に水が入ることもない。陸、最高。

就職してからの日々はそれまでの生活が嘘のように思えるほど、順調でした。9時から17時半の仕事、毎月決まった日に入ってくるお給料、理解ある上司に優しい先輩、至らない私に「ありがとう」と言ってくださるお客様。バイト代が入らなくて光熱費が払えないなんてこともない。理不尽に罵られ、いちいち挙動を監視されることもない。陸での生活はなんと素晴らしい!  恵まれた環境でのびのび仕事をさせていただいて、本当に有り難く思っています。

しかしながら、プールから上がり岸を歩くようになって、いつからでしょうか、違和感を覚えるようになりました。

私、もしかして泳げない半魚人なんじゃないかな。

水の中が恋しいなんて。

時折今の自分をあの頃の自分が見たら、激怒するんじゃないかとも思うんです。

何、お前、陸歩いてんだよ、みたいな。

息ができることを当たり前にするなよ、みたいな。

そう考えているのは紛れもなく今の私で、出来る限り熱を殺して生きているような私で、怒り狂って生きていた頃の自分はばかだったけれど、なんかこう、どこか放っておけない面白い奴でもあったなぁと思います。

学生に戻りたいとは全く思わないけれど、学生気分は捨てずにいたい。苦い過去をお守りがわりに持っていたい。

最後に帳尻が合えばいいんだよ、の言葉通り、大学時代に挫折を味わった多くの卒業生は今、時には仕事の愚痴をこぼし悪戦苦闘しながら、社会の歯車として立派に働いています。けれど、学生生活で派手に蹴躓いた苦い記憶が彼らの中から消えることはありません。むしろ、その記憶のお守りが彼らをおおらかな人間に変えていくのだろうと思います。

 

全国に散り散りになった同輩たちと再会し、中身のない笑えるだけのおしゃべりをする一夜。今夜のことを1年前からずっと楽しみにしていました。別れたそばから会いたかったのだと思います。まるで七夕のように。

仕事をまるっと納めたら、私は今夜だけ大学生に戻ります。会いたいひとたちに会ってきます。

 

よし、今年最後の大仕事!

がんばってきます!

それでは、いってらっしゃいませ(*´-`)

 

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本日の起床時刻

5:33

朝ごはん

とろろ昆布うどん

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