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【第60回】株式会社ヘイシャの珍事件簿

おはようございます。あやなです。

事件は昨日の夕方、15:46に起こりました。現場になったのは弊社の女子トイレ。私はいつも通りそこで手を洗い、退社まであと1時間ちょっと、さぁもう一踏ん張りがんばるぞと頬を叩いて気合いを入れたところでした。

鏡に見知らぬ女が映っていました。

クマのひどい、青白い肌の女です。髪は黒く長く、ぼさぼさと頬にかかっています。

思わず叫びだしそうになりました。こんな女、うちの会社にいた?

小さな目。薄い眉。

……薄い眉?

そこで私ははたと気づいたのです。気づいてしまったのです。

……きょう、もしや、アイメイクをごっそり忘れてしまっていたのではないか?

そうです、鏡の中の見知らぬ女は他でもない私だったのです。そういえばギリギリで家を出たもので、5分で化粧したんだっけ。下地をつけてファンデーションを塗ったところで、「あ、やばいやばい」も慌てて家を出た気がします。そして午前中から午後にかけてものすごく忙しくて、トイレに行っても鏡なんか水に手だけ洗ってさっさと自席に戻る始末。

「私、こんな顔だったっけ……?」

アイシャドウもマスカラもしない目は、子供のそれのように小さく。

アイブロウを忘れた眉は薄く、ぼんやりとしていて。

ビフォーアフターで劇的に顔が変わるほど、メイクの達人ではありませんが、やはり化粧のあるなしで顔の印象は変わってきます。

女性の皆さんならおわかりいただけると思うのですが、完全にすっぴんの状態で鏡を見ることって実はそんなにありません。外に出ている間は化粧をしているし、家に鏡は1つしかないので。おそらく、すっぴんの顔を見るのは化粧を落とすときくらいだと思います。スキンケアにこだわっている方なら、もしかしたら化粧を落としたあとでパックをしてみたりマッサージをしてみたりするのかもしれませんが、私は気が向いたときにちょろっとパックをするくらいです。

しかしまぁ、すっぴんの顔を忘れそうになるほどだとは思わなんだ……。

誰だこいつって割と本気で思いましたからね。

見知らぬ女がいる恐怖は味わわなくて済んだけれど、自分の素の顔を忘れそうになっていることの方がよほど怖い話です。

そしてもっとおそろしいのが、そのままほぼ1日働いていたという事実……!

あぁ、もしや、「あいつ今日目なくない?」「顔のパーツ家に忘れてきたんじゃない?」とか同僚に思われていたのでしょうか。おそろしや!

急いで化粧を整え、近くの席の先輩に「聞いてくださいよぉ、今日目から上のメイク忘れてきちゃったんですよー!  恥ずかしいー!」なんて言ってたら、先輩はこう言いました。

「え、そう?  いつもと変わらんよ?」

化粧を整えたところで、自分で思うより、大して顔変わらんのやな、と。自意識過剰でした。しかしまぁ、なんか、ほっとしたような、がっくりしたような!

 

会社の珍事件簿っていうか、お前の珍事件簿じゃないか! というツッコミはなしでお願いします。

それでは、本日はこの辺で。

明日は金曜日。1月もあと少しですね。早いー!!

 

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本日の起床時刻

5:36

朝ごはん

おにぎり

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