【第24回】一生讃岐うどんしか認めないと思っていたのに、博多のうどんに屈服した経緯について語る
おはようございます。あやなです。
私の住む福岡は、日本を代表するグルメ都道府県の一つです。地元贔屓と言われてもいい、ぶっちゃけ北海道に次いで2番目に挙げられてもおかしくないと思っています。
もつ鍋? ラーメン? 一口餃子? 明太子?
あるいは、お刺身?
かの有名な博多華丸・大吉の華丸さんは言いました。福岡で一番おいしい麺はラーメンではない、うどんであると。東京進出が遅れた理由は福岡のごぼ天うどんから離れられなかったからだと。
つい最近まで華丸さんの気持ちが全くわかりませんでした。
だって、博多うどんの麺ってやわやわなんですよ~。やわやわ。ふやけていてどろどろしているんですよ。
「ラーメンはカタ、うどんはやわ」と言われるように、福岡人はとにかく麺の固さにこだわります。ラーメンは麺の固さを選べる店がほとんどですが、うどんは問答無用でやわい麺が出てきます。
あの麺がどうしてもいけない。
私の祖父は香川の出身で、家は讃岐うどんの店を営んでいました。幼い頃からあの麺に触れて育っていた私にとっては固くて歯応えのある讃岐うどんこそが、うどんだったのです。
なので初めて福岡でうどんを食べたとき、意味がわかりませんでした。麺がのびているのかもしれないと思いました。日を変えて別のお店で食べても麺は柔らかく、のちにこれが博多のうどんなのだと教えてもらいました。
最近は丸亀製麺もできましたが、私のよく行くお店の麺はどんどん博多ナイズされて柔らかくなっている気がします。
なぜ麺を柔らかくしてしまうのか。
やわやわの麺なんて、おいしくないよ!
ずっとそう思ってきました。福岡に住むようになって6年くらいは、外でうどんを好んで食べることはありませんでした。
これが覆されたのが、去年の9月。
友人と軽く飲んだ後、二人でふらふらと外を歩き回っているとお腹がすきました。そういえばお酒飲むだけでお腹にたまるものは何も食べていなかったなぁ、と思い当たりました。友人の行きつけの蕎麦屋さんは定休日、軽くつまめるダイニングバーはもうすぐ閉店、どこも閉まってるね~と言い合いながら駅に向かって歩いていくとぼんやりと薄明かりの漏れるお店に行き着きました。
橙のような、桃色のような、黄色のような、あの店の窓から漏れる光は変な色をしていました。少なくとも酔った人間の目にはそう映った。
うどん屋さんでした。
友人は私がやわいうどん麺を好きではないことをよく知っていたので、「他の店探すー?」と言ってきましたが、飲んで上機嫌だった私は「いーよいーよ、ここでいーよ」と笑って返しました。
「私ごぼ天」
「んー、私どうしようかなぁ」
秋に片足を突っ込んだ9月の夜は少し寒くて、温かいものが欲しくなりました。
「私、月見にする」
とろっと流れた玉子がからだを温めてくれると、期待して。
15分ほどして出てきたうどんを見て、私は玉子を溶くのをやめました。
あまりにも勿体ないと思いました。
だって、だしがあまりに澄んでいて、黄金色に光っていたので。
一口啜ってみてさらに驚きました。今まで嫌だ嫌だと思っていたやわいうどんの麺を、初めて最高だと思いました。主張の少ないこの麺だからこそ、透き通った黄金色のだしを全く邪魔しないのです。
「……おいしい」
友人は私の顔を見て、
「すっかり博多舌になったや~ん」
ちょっと意地悪く笑いました。
それ以来、よくうどん屋さんに行くようになりました。讃岐うどんも変わらず好きですが、やわい麺でもうどんはうどんです。
福岡に住んで10年、好きな食べ物はたくさんできましたが、うどんだけは好きにはならないと思っていました。慣れ親しんだ讃岐うどんの家の味を越えることはないだろうと。
最後の砦だった博多のうどん。
この味に負けて膝をついたとき、私はようやくこの土地の人間になれたのかもしれません。第2の故郷というべき福岡の地に、根を下ろすことができたような気がします。
この根がこの先どれだけ広がるかはわかりませんが、おいしいものを食べて養分を得てちょっとずつ太く長く、根づいていくのでしょう。福岡に住み続ける限り。
どうですか! 福岡、来ませんか!
気づかぬうちにあなたの足にも根が生えて、抜け出せなくなるかもしれませんが、とてもいい街ですよ。おいしいものがたくさんで、県民みんなサービス精神が旺盛。私の自慢の、第2の故郷です!
というわけで、週の終わりの金曜日です。
11月も終わりに近づいてきましたね~。来週の今頃はもう12月に突入しているなんてびっくりですよ!
残された今年を大事にしつつ、皆さん、今日も行ってらっしゃいませ(*´-`)
*****************************
本日の起床時刻
6:31
朝ごはん
ヨーグルト
*****************************