【第21回】コーヒーショップにおけるロミオとジュリエット的葛藤
おはようございます。あやなです。
先日ですね、こんな記事を書きました。
【第14回】私が天神南のスタバに籠りたがる理由 - モーニン!
もしくは以前、こんな記事を書いたこともあります。
http://tenro-in.com/mediagp/24422
スタバの店員って、美男美女しかいないけど顔採用なの? 思いきって中の人に聞いてみた - 天狼院書店
こちらをご覧いただいてわかるように、私はカフェによく行きます。天神南のスタバにも行きますし、ジュンク堂の隣のスタバにも行きますし、地下鉄天神駅改札そばのドトールにも行きます。プロポーズされるなら夜景の見えるレストランより明るくて爽やかで肩肘張らないベローチェがいいですし、冬の間はサンマルクのクラムチャウダーに頭が上がりません。
勿論、福岡天狼院さんにもお世話になっています。(私のおすすめのメニューはワッフル! クリームチーズが載ってるやつ! 一時期は毎回アイス食べてました。おいしいし、コスパがいい)
さぞかしこいつコーヒーに詳しいんだろうなぁ、と思うでしょう?
残念、私はコーヒーが飲めません!
いや、コーヒーは大好きなんです。
だけど、飲めないんです。
初めて異変に気づいたのは、そう、就活を始めて最初の春でした。
時間の隙間を縫うように説明会の予約を入れ、面接の約束を取り付け、窮屈なスーツと履き慣れないパンプスで一日3件も4件も会社をはしごする、そんな日々を送っていました。多忙といえば多忙ですが、忙しさに充実感を得てもいました。忙しさより何より「暇」が怖いのが就活生。あの頃の私はまだ使える「駒」があることに安堵しつつ、東京の街を駆け抜けていました。
始めは緊張のせいかな、と思ったのです。
説明会の最中、面接の前、お腹を壊すようになりました。しかし面接ならまだしも、説明会で緊張しすぎることもないだろう。ならばこのお腹の痛みはなんなのか?
ずっとずっと考えていました。
内定がとれないまま二度目の春を迎え、気づけば三度目の春になろうとしていました。その間も謎の腹痛は続きました。集団面接中にお腹を壊して、途中で退室したこともありました。
これはどうしたものか、私はやはりカフェで思案していました。あれは確か、汐留の、ドトールだったと思います。少しでも時間があいたらカフェで面接前にエントリーシートをチェックするのが日課になっていました。
そのとき飲んでいたのはホットのカフェオレでした。
カフェオレ……カフェオレ?
牛乳か!!!??
小学校でも中学校でも毎日牛乳を飲んで一度だってお腹を壊したことはなかったけれども! もしかしたら大人になって牛乳に耐性がなくなったのかもしれない。牛乳でお腹壊す日本人多いし、ありがち!
ひらめいたぞとばかりに私はその日から牛乳を飲むのをやめました。
カフェではコーヒーを頼むようになりました。
勿論、ミルクは入れません。
コーヒーは元々ブラックで飲むのが好きでした。始めは大人っぽさに憧れていたブラックも、飲めばその味わいに慣れ、ミルクや砂糖を入れると味が崩れたように感じるようになっていました。地獄のように濃いコーヒーよりもさらっと飲めるアメリカンの方が好きでした。豆の香りといい、深みのある味といい、飲めば飲むほどコーヒーが好きになりました。
あの頃の私は、胸を張ってコーヒー党を名乗れたに違いありません。
しかしどれだけ「乳」を排除しても面接でお腹を壊すことに変わりありませんでした。
ある日、カフェが満員だったので、マックでエントリーシートの確認をしました。私がその日飲んだのは野菜ジュース。コーヒーではありませんでした。
また別の日に行った会社の近くにはカフェがありませんでした。その代わり、モスバーガーがありました。オニオンリングを頼むとお冷やをつけてくださいました。コーヒーは飲みませんでした。
少し肌寒かったのでクラムチャウダーを頼みました。炭酸が飲みたくてコーラを頼みました。ホットのダージリンを頼みました。
不思議なことに、お腹は壊しませんでした。
嫌な予感がありました。
私は、賭けに出ることにしました。
その日、大事な面接前に、私がカフェで頼んだのは「ホットミルク」でした。第一志望の面接に行く不安と緊張、そして、天敵だと当たりをつけていた「乳」。
ほら、来いよ腹痛。私の行く手を阻んでみせろよ、腹痛。お前のためにあらゆるトリガーを用意した。万全の環境だ!
いろんな意味で覚悟を持って臨んだ面接。
お腹が痛くなることは、ありませんでした。
どうやら、元凶はコーヒーの方でした。
その日からカフェで紅茶を飲むようにしたところ、あれだけ苦しんでいた腹痛は消えてなくなったのです。
調べてみるとコーヒーを飲むとお腹が痛くなる方々は私の他にも多く存在しているようでした。原因不明の腹痛に悩まされていた日々におさらばしたのはいいものの、コーヒーが飲めないのはコーヒー党だった私にはつらい結末でもありました……。
たまには飲みますけどね。客先でコーヒーを出していただいたときや、後に重要な用事が詰まっていないとき、あとは帰るだけのときとか。
コーヒーを口に含むとき、好きなのに仲を引き裂かれるロミジュリ的な葛藤が胸を覆い尽くします。
おお、コーヒー! あなたはどうしてコーヒーなの! そのカフェインを捨ててご覧なさい! さすれば私は何の枷もなく、あなたを愛することができるでしょう。
おお、ジュリエット。しかし、ジュリエット。考えてもごらんよ、カフェインのないコーヒーが本当においしいと思うかい? カフェインのない僕を君は愛してくれるのかい?
勿論、答えはノーでした。
今は、コーヒーを飲めなくなってよかったと思うこともあります。コーヒーを飲めなくなったおかげで紅茶のおいしさに目覚めたところもあるので。最近はジャスミン茶も好きです。においと味のバランスが絶妙です。
コーヒー党だった頃、私は紅茶が好きではありませんでした。あの、甘ったるい花のような香りがどうしても好きになれませんでした。
紅茶の味は、切ない味だなぁと感じます。
花の味なんか全くしないのに、においだけ鼻に残るのがなんとも切ない。コーヒーは味もにおいも同じだけ強いから、切なくはならない。コーヒーを飲まなくなってから紅茶の持つ情緒に気づきました。
虚弱な胃腸が私とコーヒーを引き裂き、代わりに紅茶との縁を結んでくれたのでしょう。ロミオとジュリエットの悲恋をハッピーエンドに変えるには、やはり新しい恋人を得るしかなかったのです。
今はもう、コーヒーは良き友人の一人です。客先であなたの姿を見かけるとき、私はあなたを愛した過去を思い出しながら、少しだけ苦く笑います。
一口含み、久々に堪能したその味はやっぱり切なくもなんともないのに、いつまでも口のなかに残って消えてくれませんでした。
というわけで、週の終わりの金曜日!
今週は熱が出たりで大変でした……。
皆さんもおからだには十分お気をつけてお過ごし下さい。行ってらっしゃいませ(*´-`)
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本日の起床時刻
5:42
朝ごはん
コンソメ野菜スープ
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