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【第6回】私の恋愛観を完全に狂わせた悪魔の1冊 ~少女漫画編~

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おはようございます。あやなです。

昨日は元カレ「村上春樹」との修羅場(?)についてお読みいただき、ありがとうございました。「星の王子様」とよりを戻せるか、近日追ってご報告致します。

 

さて、こうして文字に起こしてみると、私の恋愛遍歴は読書歴でしか語れないということに改めて気づかされて愕然とします。

お恥ずかしながら、「恋」という感情をいまだに理解できていないのです。

中学生くらいまではミステリーばかり読んでいました。高校に上がる前に読んだ「キッチン」が文芸書の原体験だったように思います。その後、「ぼくは勉強ができない」で山田詠美さんを読むようになり、「つめたいよるに」で江國香織さんを読むようになり。

教科書で習った夏目漱石の「こころ」、森鴎外の「舞姫」。

いずれも「恋愛」が要素として確かに存在しているのに、物語のコアにあるのは人間の弱さであったり欲であったり嫉妬であったり、私の足りない脳みそが読み取るものはおよそ純粋に「恋」だといえるものではありませんでした。

恋愛小説は間違いなく面白いのです。しかし、どこか自分のわからない概念を見ているような、ファンタジー小説を読んでいるような、あるいは学術書を読んでいるような、そんな気持ちになります。

私自身恋愛をモチーフにした小説を書くこともそれなりにあるのですが、それはおそらく文字にすることでなんとか理解しようと試みているのだろうと思います。

 

恋愛感情が「誰かを好きで好きでたまらない」「欲しくて欲しくてたまらない」「だめだとわかっていても諦めることができない」という、ただそれだけの感情を表すのであれば、それは「執着心」と何ら変わらないのではないかと思うのです。

今日は私の恋愛観が完全に狂ったのはこの本のせいじゃないかと思われる1冊をご紹介します。始めに言っておきますが、万人受けするものではないと思います。この本にどうしてそこまで影響されたのか不可解に思われる方もいるでしょう。

なお、少女漫画です。

ジョージ朝倉「少年少女ロマンス」(全3巻)

 

中学3年生のときに、同氏の「恋文日和」を読みまして、「わー、このひとの漫画面白いわぁ」と思って手に取ったこの本。今でも実家に帰るたびに読み返しています。(そのくせ手元に置いておこうという気にはならないところが不思議です。)

あらすじとしましては、「運命の王子様の存在を本気で信じている女子高生・蘭が、王子様にしか見えない転校生・右京と繰り広げる、はた迷惑なラブストーリー」というところでしょうか。本気で姫になろうとする女の子と、好きな女の子のために本気で王子になろうとする男の子がすれ違いつつも、絆を深めていく。しかしまぁ、ラブコメ通り越してギャグ漫画のような仕様になっていまして、表現は叙情的にさえ思えるのにやることなすことなんかおかしい。ほぼ両思い確定の好きな子に告白したいだけなのに樹海に行ったりする。なぜなんだ。

イケメンと美少女が出会って恋をするのが少女漫画だと思うんですが、「少年少女ロマンス」には全く憧れません。私は女ですが右京みたいな男とは付き合いたくないし、男になったとして蘭とは付き合えません。漫画の登場人物なのに、このふたりはこのふたりでないとうまくいかないと思える。

お互いがお互いの理想や夢のために恋をしていて、相手の姿さえちゃんと見えていなくて、そのせいで死にかけたり周りを巻き込んだりすれ違ったりするわけですが、これを読んで中3の私(たぶん受験を目前に控えた12月くらいに読んだはずです。勉強しろ)は思いました。

「あ!  これが恋なのか!」

と。

 

結局理想だの夢だのって自分の中にあるエゴでしかないのに、それが妙な偶然で合致することがあります。友達との恋バナで「なんであの人と付き合ったの?」って話になり「流れで……?」「なんか、タイミングが合って……?」と、曖昧な帰結を見せるとき、私はこの漫画のことを思い出します。

 

嫌なところはいっぱいあるのに、いつか裏切られるかもしれないと思っているのに、それでも離れられないし、エゴイスティックに期待して夢を見てしまう。そんな恋愛模様を中3にして読んでしまったら、そりゃ人生狂っちゃいます。

他人である以上、理解し合うにも絶対に限界があると私は思います。家族でさえわかり合えないことがあるのに、いわんや恋愛をや。

冷たいと、言われるかもしれません。

冷めてると、言われてもいいです。

恋はあくまで自分の中にしかないのだと、思うようになりました。

エゴ、上等じゃないですか!

 

「少年少女ロマンス」を1巻から通して読んで、3巻を読み終わったあとに1巻を読むとまた違った感慨で胸がいっぱいになります。1巻から3巻までの間に、ふたりのエゴがこう意味合いを変えるのかと。

恋文日和」や「溺れるナイフ」、「ピースオブケイク」で有名なジョージ朝倉先生ですが、「少年少女ロマンス」が超絶好きで好きでたまらんと言うひとにはまだ出会ったことがないです。ましてやこの本に恋愛観を狂わされたなんて。

なので、控えめにおすすめしておきます。ジョージ朝倉先生の漫画はどれも好きです。ハイテンションギャグと胸に迫るシリアスと独特のポエムのジェットコースターに酔いたい方は、どうぞお手にとってご覧下さい。

あっ、今新装版が全2巻で出てるみたいですね!  できたら3部構成の方がいいと思うんですが、単行本はまだ本屋さんに置いてあるのかしら。だいぶ前の漫画なので見つけたらぜひぜひ。

 

それでは、週の真ん中水曜日も学校にお仕事に、頑張りましょう!

皆さんも行ってらっしゃいませ(*´-`)

 

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本日の起床時刻

5:45

朝ごはん

納豆ごはん(2日連続登板)

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